「今日が約束の日だね。お母さんにはどういう風に伝えたの?」
「あのう・・・先生、実は昨日までの話は全部うそなんです。ごめんなさい・・」
「へっ???うそって・・なっなにが?どこまでが?」(激しく動揺)
「全部です。私が月謝を使い込んだことも、おばあちゃんがお金を送ってくれるようになっていることも・・本当は家にお金がないんです。単身赴任中のパパがお金を送ってくれなくなって。ママからももうお金がないから塾も辞めなさいって言われたけど辞めたくなくて来ていました。家にお金がないなんて言えませんでした。」(ここで涙ぼろぼろ・・)
「なぜもっと早く相談してくれなかったの!そうしたらお母さんと先生が話し合って解決できたかもしれないのに。あなたも私から何度も催促されないし、うそもつかなくて済んだのに・・」
猛烈に切なくなった。同時にお母さんに腹がたってきた。仕事中に悪いかなと思ったけど、怒りにまかせてお母さんに電話した。家に電話しても留守が多くて通じないのだ。「お母さん!あなたはAちゃんが自分でお金を使ったなんていっているのをご存知ですか?なぜ相談してくださらなかったのですか?」
周りに人がいるようで話しにくそうな感じだったが「すみません。ご迷惑をおかけします。来週には必ずなんとかします。」とおっしゃる。
私はそんな弁解が聞きたかったわけではない。そういうことではなくて、我が子が事情を知らない塾長から何度も月謝の催促をされている。しかも3ヶ月も滞納している。娘が母親を庇ってかプライドのためか分からないが、苦し紛れに自分で使い込みましたなんて悲しい嘘をついたことも知っている。それなのになぜ自分で事情説明の連絡をしてこないのか。あまりにその生徒が可哀相ではないか・・
母親が今月はもう無理と思った時点で連絡をくれていたら、その生徒はへんな作り話をして心を傷めることもなかったろうにと不憫でならない。短気な私は「入試まであとわずかですから、私が最後まで面倒見ます。」なんて啖呵を切ってしまった。
母親から辞めなさいと言われても、嘘をついてまでも塾に来たかった生徒を、月謝が払えないからと放り出すことなんてできない。
私は迷ったとき、楽な方を選択して生きると決めている。楽というのは私の場合、後ろめたさや自己嫌悪が残らない生き方のことだ。うちのような小さな塾では受験生の月謝が一人とはいえ6ヶ月も入らないことはとても痛いが、ここで辞めさせるのはこの先ずっとどこかに引っかかったままになるだろう。入試まであと3ヶ月あまりのことなので、後悔なく卒塾させたいと思う。
ワシはそう思うとる(A先生とH先生がこの亀田パパ風フレーズをお気に入りのようだ。実は私も好きだ〜。一回使ってみたかった。)
子供が自分以外の為に嘘をつくことほど切ないことはありませんね。
入試が終わっても高校のお月謝、修学旅行の積立金たくさんの障害があります。
でも人間味方が一人いるだけでも頑張れるものです。図らずも?数ヶ月間先生がその役を担うことになりますが、頑張ってください。
昔いました。半年月謝貯めて、結局卒業した後も少しづつ払い続けた父兄が(ちなみに完納しました)。願わくば、マリアン先生が父兄に本当にお母さんに言いたかったことが伝わればいいですね。それは1カ月分のお月謝よりもお互いに価値のあることでしょうし。なにより板挟みになったお子さんの為に…
でも、マリアン先生の愛のあるご対応に、感動いたしました。
追記 亀田パパキャラ、ヴォクも好きです(笑)。
僅か14、5年しか、生きていないのにこんなウソをつかなければならなかったのかと思うと、悲しいです。
受験生とわかっていながら送金をしなくなった父。
娘の行動が見えてない母。
お母さんは心身共に余裕がないのだろうと思いますが、こんな時こそ、親子で頑張るのではないのですか?
子供のいない私には、未知の世界です。。。
マリアンさん、女にしとくのが勿体ないくらい男前っ!
私は事情が分からなかったので、5〜6回生徒本人に催促しました。今、考えればいつもと違う困ったような何か言いたそうな表情をしていたのに、そのままにしていました。
一ヶ月遅れたら必ず保護者に直接連絡しなければいけませんね。反省!
そうですよね。唖然ですよね。私も数秒お口、ポカ〜ンになってしまいました。
その後、保護者から何の連絡もありませんが何も期待していません。いいんです、もう・・えぇ。
亀田パパキャラ、また使わせていただきます。
今、不況なので単身赴任中のお父さんにも何か悪い変化があったのでしょうね。給料カットとか、リストラとか、倒産とか・・
あの子の下にまだ二人弟がいるので、お母さんも苦しいのでしょう。でも、大人なのだからきちんと事情説明が欲しかったです。